第38回 家具を固定しよう!

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本日は3月11日、2011年の東日本大震災から13年が経過しました。

今年の元旦は、能登半島地震から始まり、改めて日本は自然災害が多い国であることを認識させられた年の始まりでした。

地震は台風とは違って、直前に災害の来襲を知ることは出来ません。だからこそ、事前の対策が必要となります。

その一つが冒頭の、“家具を固定しよう!”です。

私のこのコラムは、“オーダーメイドリノベーション(OMR)“からスタートしました。OMR以前より、リノベーションは実施していたのですが、そのリノベーションのキッカケになったのが、”家具の固定“でした。

私は持ち家に住んでいるので、家具を自由に固定出来ます。同時に思ったのは、”賃貸はどうするの???“。もう、15年以上前の話です。

ご存じの通り賃貸住宅は、退去時に”原状復帰“する義務が入居者様にはあります。例えば、家具を固定する為に壁に釘を打った場合、その釘穴だけでなく、壁紙一面を張り替える義務が生じることもあります。

大家は、入居者様にお部屋をお貸しした後は、入居者様がどこにどんな家具を置くか、全く関知出来ません。ところが普段生活する上で、2つだけ、置き場が決まっている家具・家電があります。

それは、食器棚と冷蔵庫! この2つはキッチン内の置き場が決まっております。

そこで、我が家はフルリノベーションを実施する際、冷蔵庫置き場と食器棚置き場の壁に、写真(左)のようなフックを設置しました。

コストにすれば、数百円のフックです。でも、これが無いと冷蔵庫も食器棚も突っ張り棒以外、地震対策をすることが出来ません。

皆さんご存じでしょうか? 家電メーカーの冷蔵庫の総合カタログには、冷蔵庫と壁を固定するベルトがオプションで販売されていることを!(写真右)

しかしながら、メーカーがそのようなオプションを用意しても、キッチンの壁にフックが無ければ固定することは出来ません。

3.11後、私はハウスメーカーのモデルルームを数社回りましたが、そのようなフックを標準で付けているハウスメーカーは一社もありませんでしたし、本日改めて確認しましたが、少なくともフックと言う形での転倒防止策を実施しているメーカーはありませんでした。

注文戸建て住宅でもそのような状況ですから、賃貸でフックが準備されていることは殆どないでしょう。

大家が”釘打ち“をされて困るのは、次にご入居される方がその釘・フックを再利用できないからですが、冷蔵庫と食器棚の位置は基本変わりません。もしこのコラムを読まれた賃貸の入居者の方で、フックを付けたい!と思われる方がいらっしゃったら、一度管理会社・大家に相談してみるといいと思います。私の考えでは、それを断る理由はありませんので。