第31回 高齢者の住む家が無い・・・・

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表題の件ですがここ3年位、社会問題になっていることをご存じでしょうか?

このブログを書きながら、“高齢者が住む家が無い”とググってみたところ、不動産関連サイトだけでなく、社会面のサイトでも問題としてアップされていることが確認出来ました。

我々大家は基本的に、“借りたい!”と仰る方にご入居頂くことは大歓迎です。

にもかかわらず、社会的弱者である高齢者が賃貸物件を借りられない、という問題がこのところクローズアップされています。

賃貸事業では、日夜様々な問題が発生するのは致し方ないことではあります。しかしながら、最大の問題は、我々大家には、リスクを回避する手段が無い、ということです。

例えば滞納や夜逃げ問題。昔は“連帯保証人”が付いていましたから、ある程度問題発生の抑止力になりましたし、最終的には連帯保証人が解決してくださいました。

今は、連帯保証人に代わって、“保証会社”が付くのが一般的になってきました。そのため金銭面でのリスク回避はある程度出来ますが、反面、“どうせ保証会社が払う”、との間違った認識により、滞納への抑止力が下がったとも言えます。

我々は普段、ルールを守って生活しております。そのルールとは、マナーであり、一般常識であり、法令です。

ところが、賃貸については全く“異次元の法令”がまかり通っています。賃貸の場合は、滞納しても即“退去”ということはありません。大家が滞納を理由に裁判を起こそうと思っても、裁判所はその訴えすら受理しません。

滞納が3か月続くと、“借り手と大家の間の信頼関係が崩れた”と判断され、ようやく裁判所も訴えを受理します。裁判は、必ず大家が勝訴します。結果、借り手は退去という判決を突きつけられるのですが、実際に退去するかは裁判とは別の話。今度は“強制執行”という別の法的措置が必要です。

これが今の“(旧)借地借家法”の実態です。

このような状況下大家はどうするか? “自己防衛”するしかありません。

具体的に“自己防衛”とはなんでしょうか? それは、少しでもリスクの有る方の入居を拒まざるを得ないということです。

その自己防衛の結果、表題の“高齢者が住む家が無い”という現象として現れて来た、という次第です。

我々大家は、国や社会に対して“大家を守ってください”などというつもりは毛頭ありません。しかしながら、法治国家での契約において、借り手と貸し手の関係が “王様と奴隷の関係”のように不平等な立場では、大家は長期の視点に立った賃貸事業を展開するのは難しいのは事実です。

我々の要望は、“平等”です。この安心感があってこそ、我々大家は事業におけるリスクを排除する方策を取り、誰にでもお部屋をお貸しすることが出来るのです。

今、この問題を根本的に解決しないと、将来、社会的弱者と言われる方、あるいは例え経済力があっても一人暮らしの方が賃貸を探すことが難しくなってくる可能性があります。

先にも申しました通り、私は入居者様に恵まれておりますので、ある意味、この問題とは“無縁”ではあります。しかしながら、今、この問題の根本の芽を摘んでおかないと、数年後、深刻な社会問題になることは間違いない、と、私は思っております。