第18回 全国のいろんな大家さん、管理会社さん! その2

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先月は、“コンセプトを持った大家さん物件”をご紹介しましたが、今月は、その大家さんの大切なパートナーであり、入居者様の住環境の良し悪しを大きく左右する、管理会社さんの取り組みをご紹介します。

神奈川県相模原市にある管理会社さん。この管理会社さん、なんとレストランを経営しているんです! 

“不動産屋さんの多角経営はそんなに珍しくないのでは?”

相模原の淵野辺駅周辺、ここは大学が3-4つあり、学生さんがたくさん住む町。そんな街にオープンした“トーコーキッチン”。でも、単なる学生さん相手の食堂ではありません。

ここ、一般の方は利用出来ないんです・・・・・基本的に、この不動産屋さんが管理している賃貸物件の住人と、管理会社の関係者しか入れないんです。お店の扉には鍵が掛かっていて、賃貸物件と共通の電子キーで開けて入る仕組み・・・・

“一般の方は入れない”とお伝えしましたが、実は2つだけ、入る方法が・・・一つは、“知らないで鍵をガチャガチャやった人”、この方は1回だけ入れます。もう一つは、電子キーを持った人と一緒なら入れます。つまり、この不動産屋さんの管理物件に住んでいる学生さんが、友達を連れて・・・というケースなら入れます。

基本、学生さん相手なので、昼も夜も日替わりの定食が500円! 朝ごはんは、なんと100円! 学生さんの住まいと食事となると、思い浮かべるのは“賄い付きの寮”。でも、寮だと必ず朝と夜、決まった時間に食事を取らなければならず、今時の学生さんの時間の使いかたには合致しません。でも、トーコーキッチンなら食事の時間は自由。

“管理会社の関係者”も入れます。相模原市はまだ緑が多い街、つまり、賃貸物件のオーナーは農家が多く、トーコーキッチンは地産地消の為、オーナーから農作物を仕入れています。

ここまでのお話だと、“地産地消で安いレストラン”というだけに聞こえますが、もちろんそれだけではありません。

管理物件に住む学生さんが、友達を連れて“トーコーキッチン”に行ったとします。まず友達がビックリするのは、“鍵が掛かったレストラン”。自宅の鍵でドアを開け、中に入ると、同世代の学生さんが食事をしている・・・それも、100円とか500円で。しかも、地産地消の安心できる材料を使った食事。そこには、オーナーである農家さんも居る!“どうだい、その野菜、旨いだろう! それ、ウチで作ったんだ!”。

昼から夕方に掛けては、ファミリータイプにお住まいの主婦がお茶をしに・・・・また、子供たちが勉強をするためにトーコーキッチンに・・・・いずれも100円!

これだけいいことづくめのレストランですが、利用するには、管理物件に住まなければダメなんです。

“2年で更新!”という学生さんが居たら、“次は、このレストランを利用できる物件に入ろう”と思う訳です。

つまり、この管理会社が管理する賃貸物件の空室率は非常に低い! その話を聞きつけたオーナーさん予備軍が、この管理会社の管理物件が売りに出たら、真っ先に購入する・・・・

トーコーキッチンが出来て、5年以上経過していますが、今や不動産業界だけでなく、“日経レベル“で、新たなビジネスモデルとして取り上げられています。

 

 

凄いですよね、賃貸物件そのものは、ごく普通の建物なのに、管理会社がコミュニティの核となるレストランを併設したことで、入居者様の利便性は非常に上がり、オーナーも空室率が下がる、結果として管理会社の経営も安定する!

トーコーキッチンについては、第三者が書いた記事がたくさんありますので、是非“トーコーキッチン”でググってみてください!